こんにちは。すぎっち(@cedar_studio)です。
FUJIFILMのコンデジX100シリーズのX100VとX100Fを比較します。X100Fも最近人気が出てきたみたいで中古市場のタマがないとか。
最新型のX100Vと型落ちのX100F。結構違いがあるので是非参考してください。
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X100FとX100Vのスペック比較
外観は似ている2台ですがスペックも結構変わっています。特筆すべきスペックを抜き出して表にまとめてみました。
X100F | X100V | |
---|---|---|
発売日 | 2017/2/23 | 2020/2/27 |
イメージセンサー | APS-C(X-Trans CMOC Ⅲ) | APS-C(X-Trans CMOS4 裏面照射型) |
画素数 | 2430万画素 | 2610万画素 |
画像処理エンジン | X-Processor Pro | X-Processor 4 |
レンズ | 23mm(35mmm換算で35mm相当)F2〜16 | |
デジタルテレコン | 50mm、70mm | |
レンズ構成 | 6群8枚(非球面レンズ1枚) | 6群8枚(非球面レンズ2枚) |
最短撮影距離 | 10cm | |
連写性能 | 8コマ/秒 | 11コマ/秒 |
最大撮影枚数 | 270枚(EVF使用時) | 350枚(EVF使用時) |
動画性能 | FHD 60fps | 4K 30fps |
防塵防滴 | × | ○ |
背面液晶 | 3インチ104万ドット固定式 | 3インチ162万ドットチルト式 |
bluetooth | × | ○ |
フィルムシミュレーション | 15種類 | 17種類 |
サイズ | w126.5 x d53.4 x h74.8 | w128 x d53.3 x h74.8 |
重さ | 469g | 478g |
USB端子 | マイクロUSB2.0 | USB-C 3.1 Gen1 |
イメージセンサーや画像処理エンジンが最新版に変わっているのは当たり前ですが、大きい変化はレンズ構成が変わったこと。X100初代から変わらず採用続けてきたレンズ構成を今回見直しています。それにより描写が大きく変わっているのでこの後紹介する作例を見ながら確認してください。
またフジフィルム特有のフィルムシミュレーションも15種類から17種に増えています。クラシックネガとエテルナが追加されていますが、どちらもとてもいい描写をするので大きな違いになりますね。
X100FとX100Vの主な違い
前の章で少し話してしまいましたがX100FとX100Vの主な違いについて説明します。
レンズ構成
レンズは35mm換算で焦点距離35mmの単焦点レンズを採用し違いはありませんが、X100初代から変わらず採用されてきた6群8枚(非球面レンズ1枚)のレンズ構成に非球面レンズがもう一枚追加されて6群8枚(非球面レンズ2枚)になりました。
これによって特に開放F値で撮影した場合の描写が大きく違います。
開放F2.0で撮影した写真で、左がX100F、右がX100Vになります。「yuskin」の文字にピントを合わせて撮影しています。右のX100Vはピント面はしっかりと解像していますが、左のX100Fは一見ピントを外しているようなふわっとした描写になっています。
このフワッとした描写がこれまでのX100シリーズの特徴でしたがX100Vから大きく変わってしっかりと解像するレンズになりました。
次にF値を8まで絞ってみました。左がX100F、右がX100V。左のX100Fはなぜか窓面から光が入ってしまっていますが、「yuskin」の文字の部分は右のX100Vと同様に解像していることがわかります。
個人的な感覚では開放から2段ほど絞る(F4)としっかりと解像してくれます。その代わり開放して使うときはフワッとした描写になることを認識していないと失敗作みたいになってしかも。
ディテール
基本的な外観は変わっていませんし写真で横並びにしてもわかりにくいです。しかし実物を並べてみると質感というか完成度が全く違うことがわかります。
たとえばこの角部分が若干斜めになっているのがX100F、天面が平らになっているのがX100V。そして角の部分がちょっと滑らかなのがX100F、しっかりと角が出ているのがX100V。
プロダクツとしての完成度が高いのはX100Vと感じる人が多いのではないでしょうか。
しかしこれも横並びにして初めて分かることなので、X100Fの完成度が低いということではないことだけはお伝えします。
背面液晶
これまで固定式の背面液晶を採用していたX100シリーズですがX100Vからチルト式の液晶に変更になりました。
ただぱっと見の外観は全くわからないレベル。ここまで綺麗にチルト式液晶をまとめたFUJIFILMのこだわりに脱帽です。
背面液晶がチルトすることでウエストレベルの撮影やハイアングル、ローアングルの撮影も容易になるので、より撮影しやすいのはX100Vになります。
ボタン類の配置
ちょっと細かい部分になりますが、ボタン類の配置も変わっています。
十字ボタン
背面にあった十字ボタンがX100Vでは廃止されてすっきりとしたデザインになっています。当初ボタン数が減ったことで操作のしにくさに影響するかと思っていましたがX100Vをとことん使っているとボタン数の少なさは全く気になっていません。
それよりも十字キーがなくなったことで右手でしっかりとグリップできるようになり、ストラップをつけずにスナップするのがとても楽になりました。全てのボタンに機能を割り当てて撮影している人にとっては十字キーは大事だったかもしれませんが、普通の人がそこまで使い込んでいるのかというと疑問ですね。(少なくとも私には不要でした。)
ファインダー横ボタン
ファインダーの横にあるボタンが変更になっています。ファインダーと背面液晶の点灯を切り替えるボタンだったものが、写真と動画を切り替えたり連写に変更するドライブボタンになりました。また画像再生時には画像削除ボタンになりました。
X100Vで時々Vlogを撮る私にとっては十字キーにドライブボタンがあったX100Fの方が使いやすかったです。X100Vの場合はどうしても左手で押さないといけないためワンアクション増えてしまうんですよね。
ISO変更ダイヤル
これもとても細かい話になりますが天面にあるISO変更ダイヤルが、X100FはISOを変更する場合は上に引っ張って回すタイプでした。ISOを変更する間はずっとダイヤルを上に引っ張っておく必要があります。それに対してX100Vは一度ダイヤルを上に引っ張ると、引っ張り続けなくてもISOを変更できます。ISOを確定するときはダイヤルを押して元に戻せばいいのです。
地味なんですが私はX100Vの方がとても使いやすいです。
USB TypeC
給電などの端子が変更になりました。これまではマイクロUSB端子だったものがX100VではUSB TypeCになりました。
最近はほとんどの端子がUSB TypeCに移行しているのでとてもありがたいです。特に外出先で充電する際にもマイクロUSB端子を持っていないこともあるため荷物を減らす意味でもX100Vの方が楽になりました。
フィルムシミュレーション
最後にもっとも大きな違いとしてフィルムシミュレーションの数があります。クラシッククロームやアスティア、プロビアなどの人気のフィルムシミュレーションはX100F、X100Vどちらにも搭載されていますが新しく登場したクラシックネガとエテルナはX100Fには搭載されていません。
「クラシッククロームしか使わないからいいよ」という人には不要かもしれませんが、クラシックネガもエテルナもとてもいい色味なので是非一度使ってみてほしいです^^
X100FとX100Vの作例
実際にX100FとX100Vの作例を紹介します。スナップ程度であれば両者の作例はそれほどの違いは見えないかもしれません。しかし暗い場所で食事を撮る時とか、花をアップで撮るときなどはどうしても開放で撮ることが多いので描写の違いは発生します。
「違わないけど違う」っていう微妙な作例を見てもらえると。笑
X100Fの作例
作例自体はまだまだ少ないですが随時追加していきます。普通にスナップする分には全く問題ない描写です。中央部と周辺部の解像感などは後日検証します。
X100Vの作例
作例はたくさん合うので下のリンクをぜひ見ていただきたいのですが、X100V一台あればどんなシーンでもとりあえず撮影できちゃう安心感があります。私は地元の海で夕日を撮る時にも愛用していますよ。
まとめ
X100Fを初心者向きで安く購入したい人、X100Vを写真上級者用と表現する人も多くいるのですが、個人的には少し高いですが初心者の人ほどX100Vを使うべきだと思います。とてもさまざまなフィルムシミュレーションや便利なチルト液晶など、便利機能が満載なので。
それに対してX100Fが適している人はフワッとした描写が好きな人。あの優しい描写はとてもX100Vでは撮影できないのでX100F以前のモデルを選択することになります。
どちらも長期間使ってきている私からするとどれもおすすめしたいですが、フワッとした描写にこだわりがないのであればやっぱりX100Vをお勧めするかなと思いますね。