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X100Vはマニュアル撮影がおすすめ&設定方法と露出について

こんにちは。ゼロイチ(@cedar_studio)です。
X100Vが手元に届いてからたくさんの写真を撮ってきました。この2ヶ月間で5000回シャッターを切ってきましたが、改めてこのカメラはマニュアル撮影するのが気持ちいいとわかりました。
今回はなぜX100Vでマニュアル撮影すると気持ちいいのか、そして私はどんな設定で撮影しているのか紹介します。

X100Vのまとめ記事はこちら

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X100Vにおすすめなマニュアル撮影

ここでいうマニュアル撮影とはカメラのISO、絞り、シャッタースピードを自分で設定して露出を合わせることをいいます。ピント位置を手動で合わせるマニュアルフォーカスまで使っていません。

▼「露出」についてはこちらを参考に

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最初は戸惑うかと思いますが基本さえ覚えて運用すればマニュアル撮影の方が簡単に思い通りの撮影ができるようになるのでおすすめ。 

 

マニュアル撮影は何が楽しいの?

今は全てカメラが自動で設定してくれるので、わざわざマニュアル撮影する必要はありません。じゃあなんでマニュアル撮影するのかというと
楽しいから!
これしかないです。

カメラ任せのオート撮影は楽で旅行とかで撮影するには最適ですが、街の中をスナップするときはやっぱりマニュアルの方が楽しい。カメラ任せで撮影すると、カメラが勝手に明るさを調整して撮影します。日影で建物の輪郭を強調しつつ真っ青な空を撮影したい時に、わざわざ感度を上げて日影部分を明るく撮影してくれたりその逆も然り。最新の高性能ミラーレスカメラを使っていてもそんなことがしばしば起きる始末。特にX100Vはすぐにシャッタースピードが1/60まで下がってしまうし、ISOもグングン上がってしまうこともある。カメラ内の設定がそうなっているから仕方ないんだけど、ここはシャッタースピードを上げたいなって時もオート撮影だと細かく設定できない。もちろん都度設定を変えればいんだろうけどそれがまためんどくさいし、設定がむずかしい。

でもいつもマニュアル撮影していれば、いつでも自分の思い通りの撮影ができるからストレスフリー。そもそもスナップだとそれほど頻繁に設定を変える必要もないし、今の設定状況がわかっているから設定を変更するのも楽ちん。

とにかくマニュアル撮影は特に街角スナップには最高に楽しいんです。そしてその快感はX100Vを手にするとさらに増してきます。

 

X100Vがマニュアル撮影に適している理由

特にマニュアル撮影を楽しむためにはX100Vは最適のカメラでその理由は次の通り。

  • ハイブリッドビューファインダーがついている
  • 各種設定が物理キーで設定できる

ハイブリッドビューファインダーは一眼レフについているようなOVFにEVFのようなパラメーターが表示されるシステム。ファインダーをのぞくと自分の目で見た世界が広がりながら、シャッタースピードやF値などの撮影に必要な情報が表示される。シャッターボタンを押すとEVFに切り替わって撮れた写真が写る。 つまりファインダーをのぞいてもシャッターボタンが押されるまでは、どんな写真が撮れるのかわからないのがハイブリットビューファインダーのいいところ。
もちろん通常のEVFに切り替えるスイッチもついているので、普通のデジカメと同じように使うこともできるし、背面液晶を見ながら撮影できるので、使いにくさは全くなし。(EVFの解像度の悪さはもう少し改善して欲しいけど)これは他のカメラには搭載されていない機能なので、X100V(X100シリーズ全部がそうだけど)を使っている人はぜひファインダーはOVFにして使ってほしい。

マニュアル撮影するときはISO、F値、シャッタースピードを都度設定しながら撮影しますが、X100Vを初めFUJIFILMの多くのカメラはそれらが物理キーで設定することができます。

カメラ上部のISOとシャッタースピードを設定するためにダイヤル

レンズには絞り値を設定するダイヤル

カメラの電源を入れなくても露出設定ができるのでまるでフィルムカメラを使っているような感覚で楽しく撮影できます。
反して最近のデジカメはメニューボタン等を押さないと設定できないことが多いので、設定変更するのが実にめんどくさい。そして今どんな設定なのか、電源を入れるまでわからないのも使いにくさの原因。

この二つの理由で、X100Vを使ってマニュアル撮影するとすごく楽しくなります。

 

適正露出の基本的な組み合わせ

はるか昔、まだデジカメが世の中に普及する前はフィルムカメラしかありませんでした。フィルムカメラは撮った写真をすぐに確認することができなかったので、露出設定に失敗すると真っ白や真っ黒の写真を量産することになってしまいます。
そこで快晴や曇りなどの天候や撮影場所の状況によっておおよその露出設定が決まっていました。晴れの日は「センパチ」や「感度分のシャッタースピード」で設定するといいと言われています。
センパチ」とはISO400のフィルムだったら絞りをF8、シャッタースピード1/1000でちょうどいいというもの。
感度分のシャッタースピード」とは絞りをF16にしておけばISOの数字をシャッタースピードの値にすればいいというもの。(ISO400だと1/400にすればいいということ)

それを元に自分が基準にしている露出はこれ。(※ISO400の場合)

  • 晴れの日:F8・SS=1/1000
  • 曇りの日:F8・SS=1/500(晴れよりも1段下げる)
  • 日陰:F5.6・SS=1/250(晴れよりも3段下げる)
  • 室内の窓近く:F5.6・SS=1/60(晴よりも5段下げる)

晴れの日の露出を元にどれだけ下げるかを基準に各種露出を決めています。皆さんも一度参考に撮ってください。FUJIFILMの色がしっかりと出るのでおすすめです。

 

露出の「1段」という考え方

晴れの日の露出を基準に曇りの日や日陰の露出を決める方法ですが、その中で出てきた露出の「1段」という考え方はこちら。

露出1段上がる=光の量が2倍になる

はい、これだけ。

一番わかりやすいシャッタースピードで説明します。
シャッタースピードが1/60になっていれば「1/60秒間だけシャッターが開く」という意味。SS=1/60の2倍の光の量を取り込もうとする場合、2倍の時間シャッターを開いていればいいのでSS=1/30が1/60から1段分上がるということになります。

「1段上がる」ことはシャッタースピードだけでなくISOやF値についても同様のことが言えます。

ISO感度

ISOで1段ずつ上がるのはこちら。
100 → 200 → 400 → 800 → 1600 → 3200 → 6400 → 12800

ISO横の数字が倍になると1段上がるってことだからわかりやすいね

シャッタースピードSS値

シャッタースピードについては先ほど説明しましたがおさらいで。
1 → 1/2 → 1/4 → 1/8 → 1/15 → 1/30 → 1/60 → 1/125 → 1/250

絞りF値

F値はちょっとややこしい数字。これは覚えるしかない。
1.4 → 2 → 2.8 → 4 → 5.6 →8 → 11 → 16 → 22
変な数字の増え方をしているのはF値は絞りが開いている面積を表しているので、面積が2倍になるには√2倍=1.4倍になります。

ISO、F値、シャッタースピードどのパラメータでも1段あげたら光の量は2倍になるので、例えばシャッタースピードを1段あげて代わりにF値を1段下げれば同じ露出になります。

 

設定は違うけど同じ露出

実際に撮影した写真で設定が違っても露出の設定を合わせれば同じ明るさの写真になることを確認します。

1枚目の写真はF値が5.6、シャッタースピードが1/60、ISO400で撮った写真。先に紹介した室内の窓辺の露出で撮影してみました。ピントは手前のピンクの万年筆に合わせています。

F5.6 SS=1/60

2枚目の写真はF値を3段上げて、その代わりシャッタースピードを3段下げました。(ISOは同じ400)写真全体の明るさは同じことがわかります。

F2 SS=1/500

横並びに並べました。明るさは同じ。違うのは奥にあるガラスのペーパーウェイト。
右側はF値が解放F2なのでボケが大きなっています。

左:F5.6、SS=1/60、右:F2、SS=1/500

 

写真の明るさは変えずに表現を変える

露出の考え方を理解できると露出を変えずに写真の雰囲気を変えることができます。
その一つはボケ表現だったり、長時間露光だったりします。

この写真はキレイなボケを表現するために解放F値で撮影しています。また花火の火の粉を止めて撮影したかったのでシャッタースピードも上げています。そうすると暗くなってしまうのでISOを上げて撮影しています。

f:id:Studiocedarv:20200802103837j:plain

車のテールランプとヘッドライトの軌跡を表現した一枚。シャッタースピードを長く開いて車が通った瞬間にシャッターボタンを押しています。コンデジ撮影でISOをあまり上げたくなかったのでISOは小さく、その代わりにF値を解放にして撮影しています。

f:id:Studiocedarv:20200620224319j:plain

露出の考え方を知ってるだけで色々な写真が撮れる楽しみになるんだね。そしてX100Vはすごく撮りやすいカメラなんだね。

X100Vマニュアル撮影の作例

最後に実際にマニュアル撮影で撮影した写真の作例を。名古屋市内を歩きながら撮影しましたが、快晴で太陽の当たる部分と日影のコントラストが強くて、カメラ任せのオート撮影だと自分の思い通りに撮影できなかったシーンが多かったと思いますが、マニュアル撮影で撮影したからこそ思い通りの撮影ができました。
なお全てFUJIFILM X100Vで撮影した撮って出し画像になります。

樹影が三越の外壁にキレイに当たっていました。影が強くなりすぎないように露出調整して撮影。

X100V 作例

背景となる建物が暗くなりすぎずに、でも赤い綱の部分が白飛びしないように調整。オートで撮影しようとするとなかなか合わせにくい。

X100V 作例

影の中に入ったパトカーを撮影。空のあかりを反射しているパトカーが浮き上がるように調整。

X100V 作例

露出を適正に合わせることができると、空の色が本当にキレイに出てきます。撮影後にLightroomなどで彩度をあげれば色は出てきますが現像で出てくるのと違った色味が表現できるのが撮って出し&適正露出の魅力。

X100V 作例

マニュアル撮影にするとモノクロで撮影するのが楽しくなります。カラーでは見えなかった陰影が見えやすくなるため。ぜひ試して欲しいです。

X100V 作例

手前を見せたいのか奥を見せたいのか。暗い部分を見せたいのか、明るい部分を見せたいのか。全てを見せることができないので撮影の意図が明確になるのもマニュアル撮影の利点。

X100V 作例

X100V 作例

X100V 作例

奥の白い車のボディとその周辺を際立たせたくて手前の影部分は捨てたカット。

X100V 作例

X100V 作例

自分が今いる場所の露出に合わせて事前に設定しておけば、いきなり目の前に現れたシャッターチャンスにも即座に対応できる。これができるのもX100Vの魅力。

X100V 作例

※これらは全てFUJIFILM X100Vで撮影した撮って出し画像です。

X100Vはやっぱりかっこいい

これは毎回しつこく言いますが、X100Vの一番の魅力はやっぱり”かっこよさ”。
どんなにスペックが優れたカメラでも、かっこよくないと外へ持ち出すモチベーションが上がりません。カメラの重要なスペックに”かっこよさ”もあってもいいんじゃないかと思っています。
X100Vがあまりにもかっこいいので、一日家にいる日はついつい意味もなく写真を撮ってしまいがち。

studiocedar.hatenablog.com

ついテーブルフォトをさせてしまう罪なカメラがX100Vなんですね。

note.com

 

まとめ

FUJIFILM X100Vは使えば使うほど手に馴染むカメラ。全てカメラ任せにして楽しむのももちろんいいのですが、その魅力を最大限に活用して楽しむマニュアル撮影に挑んでみてはいかがですか?

その他写真や動画を撮影する際のコツを記事としてまとめました。

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