こんにちは、ゼロイチです。
梅雨の時期真っ只中。そんな雨の日にお似合いの場所を探して京都の栂尾にある高山寺『石水院』に行ってきましたが、予想以上に落ち着いた空間だったので写真とともに紹介します。
石水院に行きたくなったきっかけはこの本
建築家『堀部安嗣』さんの著書『建築を気持ちで考える』を読んでいて石水院のことが紹介されていました。
とても素朴な空間だけど魅力的な風景に惹かれるように今回お邪魔させていただきました。
京都 栂尾 高山寺とは
高山寺は京都市右京区栂尾(とがのお)にある古刹である。創建は奈良時代に遡るともいわれ、その後、神護寺の別院であったのが、建永元年(1206)明恵上人が後鳥羽上皇よりその寺域を賜り、名を高山寺として再興した。
鳥獣人物戯画、日本最古の茶園として知られるが、デュークエイセスの唄「女ひとり」にも歌詞の中に登場しています。
また、川端康成、白洲正子や河合隼雄の著書にも紹介されています。※公式HPより
京都市の北部山中にあるお寺。
カエルとウサギが相撲を取っている様を描いた『鳥獣人物戯画』が展示されているお寺です。
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2018年台風21号による被害からの復興
高山寺は昨年、近畿地方を直撃した台風21号により多大な被害を受けました。
現在は、復興に向けた工事が行われており、表参道からの入山はできない状況です。
また拝観できるエリアも石水院のみとなっています。
いざ石水院に向かいます。
北陸から片道4時間のドライブ。
雨と強風の中はるばるやってきました。。。到着した時点でへとへとですが、どうしても雨の日に訪れてみたかったので心躍りながら入山しました。
入り口は裏参道から
表参道は現在復興工事中のため、入山は裏参道からとなります。
裏とは言いますが駐車場(無料)からすぐなので便利です。
この階段を登ります。汗 ただ勾配はそれほどきつくないので登るのは苦しくありません。
途中には雨に濡れた野草が生えているので愛でながら歩くのもいいですね。
解放されているのは石水院だけ
昨年の台風21号の被害を受けて復興工事中のため現在解放されているのは石水院だけ。
門構えから落ち着き感満載。
すでに心がワクワクしています。
この門の向こう側が石水院のお庭。
入館料は大人800円。拝観時間は8:30-17:00。
石水院は離れ
いざ入館!
受付がある建物と石水院は渡り廊下でつながっています。
向こうに見えるのが石水院。この時点でワクワクはマックスです。
雨ざらしの木部がいい具合に劣化していて、裸足で歩くと気持ちいいいです。
自然と一体になれる縁側
石水院に来たかった理由は、お庭と周囲の山並みと一体になれる縁側を見たかったこと。庭や山が雨に濡れてツヤツヤの状態を見たかったんです。
ずっと土砂降りだった雨は、ちょうど石水院に入った時にはしとしと雨になっていました。蔀戸(しとみど)が跳ね上げられた縁側は、できればずっとその場に座っていたいと思えるほど自然と一体になった空間でした。
縁側から見える景色はこんな感じ。
私たちが訪れたのはお昼前でしたが、初秋の夕方頃にひぐらしの鳴き声を聞きながら過ごす時間は最高かもしれません。
『縁』は外と中をつなぐもの。
日本建築にとってはとても大切な構成要素です。
現代の日本建築と石水院の大きな違い。それは『雨樋がない』こと。
屋根から直接雨が落ちるので地面には砂利が敷かれて雨の跳ね返りを抑えています。
周囲の山々は霧が立ち込めて霊的な『何か』を感じるような空気でした。
京都市だけどまるで京都でないような空間。
『抜け』を意識した写真を撮ってみた
日本建築の特徴ですが柱と建具で構成されているので、建物の向こうがが『抜け』て見えるのが個人的に大好きです。
ついついそんな風景を探してしまいます。
向こうに見えるのは受付がある建物。
追加料金を払えば石水院をみながらお茶を楽しむことができるようです。
『外の庭』と『中の庭』
石水院の特徴的な縁と庭が『外の庭』とするならば、もう一つ『中の庭』があります。
それは受付を行った建物との間にある中庭。
決して広くないお庭ですが、ちょうどいい『距離感』があります。
中庭には池が作られています。
いつも以上にアンダー気味で撮りまくってました^^
苔と水
水と苔の相性って最高ですよね。
『滴る水』をどうやって表現しようか悩んでいたのですが、屋根から下がっている苔を雨水が伝って垂れる瞬間を撮影。
こちらの建物でお茶をいただくことができます。
今回、夕方までに帰らないといけなかったためあまりゆっくりする時間がありませんでした。
次来るときはここでお茶もいただいてゆっくりしていきたい。
鳥獣人物戯画等もみれます
有名が鳥獣人物戯画(レプリカ)等も展示されています。
室内での撮影はNGだったので撮影はできませんでしたがとても面白かったです。まるで人間みたいな動きをした動物たちを観ているとコミカルでクスクス笑ってしまいました。
高山寺『石水院』は人が少ない時にこそ行って欲しい
今回は雨が降る中での配管となりましたが、そのおかげなのか観光客の方が非常に少なかったです。
石水院の見頃の時期はやはり紅葉の時期だと思いますが、そんな時期には今回のような写真は絶対に撮れませんし、石水院の縁側の空気を1人で満喫することは困難でしょう。
本当の石水院を楽しみたかったら、紅葉の時期以外の雨の日に訪れることをお勧めします^^
次は雪が降っている時期でもいいかもしれない!
撮影したのはソニーα7Rⅲ
雨の中の撮影でしたが防塵防滴に配慮されたソニーミラーレスのα7RⅲとSEL2470GMで臨みました。
広角から中望遠まで標準域をカバーするレンズは本当に便利ですね^^
雨の中でレンズ交換はしたくなかったので本当に助かります。
最後に
初めて訪れた石水院でした。
周りの人に聞いても知っている人がいなかったのですが、いざ訪れてみると素敵な空間でした。
京都市内からは少し離れているのですが、バスもしないから出ていますし、車でもすぐの場所になります。
途中には龍安寺などもあるので少しだけ足を伸ばして訪れてみてはいかがですか?
あと、閑散期を狙って訪れた方が絶対にオススメです!
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地元の国指定重要文化財『喜多家』も素晴らしい建物です。