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一級建築士製図試験の合格に向けた大切なポイント!【2019年版:美術館の分館】

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こんにちは。ゼロイチです。 

今年もこの季節がやってきました。一級建築士製図試験の時期です。

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私も十数年前に一級建築士試験に合格し無事に一級建築士になることができました。
一級建築士資格は「足の裏についた米粒」と言われるのですが、取らないと気持ち悪いけど、取っても食えない、ことに例えられています。昔の人はうまく言ったものです。

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設計業務をしていない人はどうやって製図をまとめていけばいいか心配になっているでしょう。また日建学院や総合資格、TAKなどの資格学校に通って勉強している人もいると思いますが、以前私が設計製図の採点員をしていた(かもしれない)経験から設計晴雨の試験に合格するためのポイントをまとめたいと思います。

学校で教えてもらうことと少し違う部分もあるかもしれないので最後まで読んでもらえると嬉しいです。

 

令和元年一級建築士試験 概要ー美術館の分館ー

先日、一級建築士製図試験の課題が発表されました。

課題名
 美術館の分館
要求図書
 ・1階平面図・配置図(縮尺1/200)
 ・2階平面図(縮尺1/200)
 ・3階平面図(縮尺1/200)
 ・断面図(縮尺1/200)
 ・面積表
 ・計画の要点等
(注1)既存の美術館(本館)の隣地に、美術、工芸等の教育・普及活動として、市民の創作活動の支援や展示等を行うための「分館」を計画する。
(注2)屋上庭園のある建築物の計画
(注3)建築基準法令に適合した建築物の計画(建蔽率容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画、避難施設 等)

建築物の計画に当たっての留意事項

・敷地条件(方位等)や周辺環境に配慮して計画するとともに、空調負荷の抑制や自然光の利用を図る。
バリアフリー省エネルギー、セキュリティ等に配慮して計画する。
・各要求室を適切にゾーニングし、明快な動線計画とする。
・建築物全体が、構造耐力上、安全であるとともに、経済性に配慮して計画する。
・構造種別に応じて架構形式及びスパン割りを適切に計画するとともに、適切な断面寸法の部材を配置する。
空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備、昇降機設備等を適切に計画する。

注意事項

・「試験問題」及び上記の「要求図書」、「建築物の計画に当たっての留意事項」を十分に理解したうえで、「設計製図の試験」に臨むようにして下さい。なお、建築基準法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」等と判断されます。 

公益財団法人建築技術教育普及センターHPより

学科の試験 7月28日(日)
設計製図の試験 10月13日(日) 

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一級建築士設計製図の試験に落ちる要因

最初に、一級建築士製図の試験に落ちる要因をまとめておきましょう。

試験は加点ポイントもありますが、採点のほとんどは減点方式になると思ってください。要はいかに「ミス」を少なくするのか、がポイントとなってきます。

エスキスが不完全のまま作図に入ってしまう

これは不合格になる人に本当に多い要素です。

エスキスは人に例えると骨格みたいなものです。本来足がつくべき場所に、手がついているととても人型には見えませんよね。(たとえ話としてあげましたが、特異な障害を持たれている方で気を悪くされた人がいたらごめんなさい。他意はありません。)

そのまま無理やり作図に入っても100%不合格になります。

あなたが思っている以上に、エスキスはきっちりとまとめてから作図に入らないと不合格になりますよ。

集団規定や避難規定の不備がある 

もしあなたがお客さんとして建築士にお仕事をお願いするときに、出てきた設計図が法規上デタラメで、そもそもその敷地に建てられない位置やボリュームだったり、避難上有効じゃないものだったらどうしますか?

そんな建築士には仕事をお願いしたくないですよね。

守るべき法規はしっかりと守らなければいけません。

集団規定や避難規定は、小手先でどうにかなるものではないため、設計製図の試験ではその他の法規制と比べて重要視しているポイントです。(例えば排煙であれば機械排煙にするなどの代替作がありますが、斜線や避難距離がアウトだとプランが全部変わってしまいますよね)

書き込みが足りていない 

問題文に、記載するように指示のある内容については一つでも欠けているとNGです。

必要な情報は漏らすことなく記載する必要がありますが、記載できておらず試験に落ちてしまう人も多いです。

これは最初のエスキスに時間がかかってしまい図面を描く時間が取れなかった人と、うっかりミスで記載できなかった人の二通りがあります。

描く時間が取れなかったのならまだしも、うっかりミスで試験に落ちちゃうとやりきれないですよね。

でもそんな図面はたくさん見てきました。

 

一級建築士設計製図の試験に合格するための対策

それではどうしたら設計製図の試験に合格できるのか。

それは簡単です。

落ちる要因を一つずつ潰していきましょう。

エスキスを完璧に仕上げる

資格学校ではこの部分を軽視する傾向にあります。

「学校でもエスキスの重要性を教えられていますよ」という人!私が言っているのはそれ以上にエスキスに力を入れなさい!ということなんです。

私は設計業務をしていましたし、二級建築士の資格も持っていたため図面を描くことについては心配していませんでした。

(それでも仕事はCADを使っていたので手描きはしていませんでしたし、製図ばんはベニヤでT定規で試験に受けましたよ!)

そのため私が設計製図の試験の前までに図面を描いたのは、会社の中であった模試の時とその他1回だけでした。

手の速さは人によって違うため、回数については多少はあるでしょうが、2時間半で図面を描けるようになったなら、そこで一旦作図の勉強はやめちゃいましょう。

それよりもエスキスを何回も何回もまとめることに力を注いで下さい。

作図時間は半分にできないけどエスキス時間は半分にできる

どんなに手が早い人でも、作図時間を1時間にすることはできないでしょう。

でもエスキスが得意になれば1時間半でまとめることも可能になります。

うまく条件がハマれば1時間を切ってまとめることも可能です。

合格に向けてどこに効果的に時間を使って行くのかは自分の頭で考えて判断しなくてはいけません。

練習のエスキスは80点で止めない

資格学校に通っていると1週間に1問程度の課題が出て、毎週それを制限時間内にできるように、エスキスから作図まで行うでしょう。

作図後、模範解答のプランを見て、先生から赤ペンを入れてもらって、次回頑張ろうとなります。

でもここで大切なのは、自分で一からプランを作って、模範回答と同じプランかもしくはそれ以上のプランが作れるようになれるかどうか、です。

資格学校の先生による赤ペンをクリアすることが目標ではありません。

エスキスの勉強では、どんな問題がきても最短距離で100点のプランを作り上げることが目標となります。

つまり何度も何度もエスキスを作っては直し、自分の力だけで100点もしくは120点のプランを作り上げることができるエスキス力を身につけうrことが必要となります。

その為には、作図の勉強をほどほどに切り上げてでも、エスキスを繰り返し実施する時間をひねり出さないといけません。 

エスキスはパズル

例えば必要室の面積が50m2と書かれていたとしましょう。

そうなるとよほどのことがない限りその室は7m×7mのスパンにすっぽりとおさまるプランにしなければいけません。

35m2だとしたら7m×7mのスパンにその室と2m幅の廊下で配置されなければいけません。

出される問題にはすでに模範解答があるのです。

問題文や条件を見ながら模範解答への道筋を見つけなければいけません。

そんないくつかのヒントを元にブロックを作っていけば、あとはそれらをうまく並べるためのパズルをしていけばいいいのです。

エスキスの勉強を重ねて入れば、そのパズル力は確実に上がっているので、ほかの人よりも絶対に早くエスキスをまとめることができます。

ブロックを先に作っておく 

今回の試験は「美術館の分館」を設計することとなります。

今回は『分館』の計画となるので、本館との接続、分館のエントランスなど動線計画が重要になるかもしれません。

また展示エリアの動線も重要になり、展示エリアに付随する施設として荷解きスペースやカフェスペースなどが計画されると思います。屋上庭園も必要なため断面計画をしっかりと計画しておきましょう。

これまでのように積層タイプのプランではないため、簡単に進められるプランではありませんが、コア周り(階段とELV、男女トイレ、事務室)などの確実にでるユニットをまとめておきましょう。

このユニットを先に用意しておければ、エスキスはよりパズル化していき、簡単に正解にたどり着くことが可能となります。

設計製図の試験は、エスキスをまとめる力が全てと言っても過言ではありません。

エスキスがしっかりとまとまって入れば、次に述べる法規制もクリアしているでしょうし、描き始めてから迷うことも少ないでしょうから作図するスピードも上がっていきます。

エスキスと同時に大きな法規制を確認する

集団規定と避難規定だけはエスキス段階から確認しておきましょう。

これをミスると後戻りできません。エスキスとワンセットでの課題です。

例えば避難経路や距離が整理できていないプランは、そもそもエスキスが100点ではない可能性が大です。

模範解答は誰が見てもスッキリするゾーニングでプランニングされています。

法規制をチェックすることでエスキスが100点かどうか確認できます。

エスキス段階で確実に実施しておいて下さい。 

汚くてもいいから描き切る

きれいに描きなさいと学校では指導されることも多いようです。

しかし私が言いたいのは、汚くてもいいから最後まで描き切ることです!

もちろん何の部屋か室名が読めないものは論外です。

でも多少鉛筆のススがあって汚くても、トイレブースの線が曲がっていても、そこにトイレがあるとわかるのであれば、プランとしてはマルなんです。

もちろん汚いことによる多少の減点はあるかもしれませんが、エスキスがしっかりとしていて適切なゾーニングと適法なプランを不合格にすることなどできません。安心して下さい。

ここでいう「描き切る」というのは、必要な情報をすべて描くということです。

見直しの時間も含めてタイムマネジメントし、描き切ることを行って下さい。 

 

最後に

設計製図の試験は「描く」ことにフィーチャーされがちですが、建築士に必要な能力は「プランニング」することなんですね。

それは試験も実務も全く相違はありません。

私が先輩から聞いた話では、設計製図の試験は朝、お客様から建物設計の依頼が来てその日のうちに提案ができるかどうかを確認する為に現在の時間設定がされているようなんです。そうすると色々と納得するでしょ?

大切なのは漏れのない適切なプランを作ること。いまではCADが主流となっているんだから手描きでどれだけキレイかを重要視していないんですね。

試験までまだ時間がありますがあっという間に季節は変わってしまいます。

出来るだけ戦略的にエスキスの時間を作って、制限時間前に描き切ってゆっくりと芝生の点々を描きましょう!笑

一級建築士試験を終えた人にお伝えしたいことがあります。

こちらの記事もご覧ください。

・一級建築士製図試験を終えたあなたがやるべきこと!まだレベル20の戦士だから! - ゼロイチ動画塾とゆかいな仲間達