
GR3とGR3x、どちらを買えばいいのか。
最初に結論を言うと、40mmで撮りたい明確な理由がなければ、ボクはGR3をおすすめします。
日常や旅行、室内を広く撮りたいなら、28mm相当のRICOH GR III(通称GR3)。人物や料理など、主役を選んで切り取りたいなら、40mm相当のRICOH GR IIIx(通称GR3x)が向いています。
ボクが最初に買ったのはGR3xでした。40mmのほうが背景を整理しやすく、写真としてきれいにまとめやすいと思ったからです。実際、その考えは間違っていませんでした。
それでも後からGR3を使い始めると、自分がGRに求めていたものが少しずつ分かってきました。ボクが撮りたかったのは、きれいに整った一枚だけではありません。目の前で起きたことに反応し、その場の空気ごと残すことでした。
GR3とGR3xの違いは、単なる28mmと40mmの差ではありません。自分と被写体の距離、写真に残る背景、シャッターを切るまでのテンポが変わります。
結論|迷っているならGR3、40mmが好きならGR3x
| 撮りたいもの・撮り方 | GR3 | GR3x |
|---|---|---|
| 日常や街歩き | ◎ | ○ |
| 旅行先の風景 | ◎ | ○ |
| 室内や狭い場所 | ◎ | △ |
| 家族や複数人 | ◎ | △ |
| 人物、料理、小物 | ○ | ◎ |
| 背景を整理したい | △ | ◎ |
| 素早く反応して撮りたい | ◎ | ○ |
| 一枚ずつ構図を整えたい | ○ | ◎ |
迷いが残るならGR3です。広く写るぶん余計なものも入りやすいカメラですが、撮れる場面が広く、一歩下がれない場所でも対応できます。
一方のGR3xは、40mm前後の画角が好きな人にはとても魅力的です。人物や料理、小物を撮るときは、GR3よりも画面を整理しやすく、主役が自然に浮かび上がります。
「40mmが好きだからGR3xを選ぶ」と言えるならGR3x。「どちらが自分に合うか分からない」ならGR3。この選び方が、いちばん後悔しにくいと思います。
GR3とGR3xの違いを比較
| 項目 | RICOH GR III | RICOH GR IIIx |
|---|---|---|
| 通称 | GR3 | GR3x |
| 焦点距離 | 約28mm相当 | 約40mm相当 |
| 開放F値 | F2.8 | F2.8 |
| 有効画素数 | 約2424万画素 | 約2424万画素 |
| 撮像素子 | APS-CサイズCMOS | APS-CサイズCMOS |
| 手ぶれ補正 | 3軸・撮像素子シフト方式 | 3軸・撮像素子シフト方式 |
| 質量 | 約257g | 約262g |
| 得意な撮影 | 日常、旅行、室内 | 人物、料理、小物 |
大きさや重さ、画質を決める基本部分に極端な差はありません。だからこそ、どちらが上位モデルかで選ぶことはできません。選ぶ基準はレンズの画角です。
GR3は18.3mm、35mm判換算で約28mm相当。GR3xは26.1mm、35mm判換算で約40mm相当です。数字では12mmの差ですが、実際に撮ると、この差は想像以上に大きく感じます。
※仕様はRICOH IMAGING公式サイトを参照しています。
28mmと40mmでは「写真との距離」が変わる
GR3は、被写体の周囲まで一緒に写しやすいカメラです。目の前の人だけでなく、その人がいる場所、周囲の光、その場の雰囲気まで写真に入ります。
GR3xは、広い景色の中から主役を選ぶカメラです。人物や料理、小物へ自然に視線が集まり、画面をすっきりまとめやすくなります。
言い換えるなら、GR3xは「写真を作りやすいカメラ」、GR3は「写真を撮りやすいカメラ」だとボクは感じています。
どちらが優れているという話ではありません。被写体を整理して一枚を作りたいのか。目の前の出来事へ反応して残したいのか。その違いです。
ボクが最初にGR3xを選んだ理由
ボクが最初に選んだのはGR3xでした。40mm相当なら背景を整理しやすく、撮りたいものをきれいに切り取れると思ったからです。
実際、人物や料理、小物を撮ると主役が自然に浮かび上がります。広角レンズのように周囲が大きく入り込まず、写真として整った一枚を作りやすい。GR3xの写りや携帯性に不満があったわけではありません。
小さなボディから出てくる写真は期待以上でしたし、40mmという画角にも魅力を感じていました。それでも使い続けるうちに、カメラの性能ではなく、自分の撮り方との間に小さなズレを感じるようになりました。
GR3xを使って後悔したポイント
狭い場所では一歩下がれない
GR3xを使っていて困ったのは、室内、カフェ、狭い路地など、被写体との距離を取れない場所です。
40mm相当では「あと一歩だけ下がりたい」と感じることがあります。屋外なら自分が動けば解決できます。しかし、後ろに壁やテーブルがあれば、それ以上は下がれません。
家族との距離が近い場面でも、写したい範囲が画面に収まらず、撮ること自体を諦めたことがありました。GR3xを検討しているなら、普段撮る場所に一歩下がれる余裕があるかを考えてみてください。
考えている間に瞬間が過ぎる
GR3xでは、被写体との距離や構図を考える時間が増えました。丁寧に撮れることはGR3xの長所です。しかしボクの場合、その丁寧さが撮影のテンポを遅くすることもありました。
ポケットからカメラを出し、目の前の出来事へ反応する。そのGRらしい使い方をしたいのに、立つ場所や画面の整理を考えている間に瞬間が過ぎてしまう。
これはGR3xの欠点というより、ボクの撮り方との相性です。詳しくはGR3xを買って後悔した瞬間でも紹介しています。
GR3を使って分かった28mmの良さ
GR3を使い始めてから、カメラを構える前に迷うことが少なくなりました。
旅行先の街並み、室内で過ごす家族、狭い路地、何気ない通勤途中。ボクが普段撮りたい場面では、28mm相当のほうが自然でした。被写体だけでなく、その周囲や場の空気まで一緒に写せます。
もちろん、広く写るぶん余計なものも入ります。背景を整理するには、被写体へ近づいたり、立つ位置を変えたりする必要があります。
それでも、とりあえずシャッターを切り、残った写真を見てから考えられる。この撮影テンポが、ボクには合っていました。
GR3xからGR3へ移ったことで、ボクが撮りたかったのは、完成された一枚だけではなく、日常に反応した写真なのだと分かりました。
GR3が向いている人
- 日常や旅行のスナップを撮りたい
- 室内や狭い場所でも撮影したい
- 家族や複数人を撮ることが多い
- 被写体と一緒に周囲の空気も残したい
- 目の前の出来事へ素早く反応したい
- 初めてGRシリーズを購入する
まだ自分の好きな画角が分からないなら、GR3のほうが使い始めやすいと思います。購入後の使い方はボクが使っているGR3のおすすめ設定で紹介しています。
GR3xが向いている人
- 人物、料理、小物を撮ることが多い
- 背景を整理して主役を見せたい
- 少し距離を取って撮るスタイルが好き
- 40mm前後の標準画角が好き
- 広角特有の遠近感が苦手
- 一枚ずつ構図を整えて撮りたい
GR3xは、40mmを使いたい理由が明確な人にとって魅力的なカメラです。「GR3より望遠だから」ではなく、「自分はこの距離から撮りたいから」と言える人に向いています。
GR3とGR3xはどっちが人気?
GR3とGR3xのどちらが人気なのか、気になる人も多いと思います。
ただ、公開されている販売数を確認せず、どちらが人気だと断定することはできません。在庫や販売ランキングも時期によって変わります。
購入時に考えたいのは、多く売れているほうではなく、自分が持ち出す回数が増えるほうです。初めてGRを使う人や幅広い場面を撮りたい人にはGR3が選びやすい。一方、40mm前後の画角が好きで、人物や料理を中心に撮る人ならGR3xを選ぶ理由があります。
人気で迷っている段階ならGR3。画角でGR3xを選べるならGR3x。ボクならそう考えます。
3分でできるGR3・GR3xの選び方
まだ決められないなら、スマートフォンで撮った最近の写真を50枚ほど見返してみてください。
周囲まで写した写真が多いならGR3
- 旅行先の風景
- 建物や街並み
- 室内
- 家族や複数人
- その場所の雰囲気が分かる写真
主役を大きく写した写真が多いならGR3x
- 一人の人物
- 料理
- 花や小物
- 背景を省いた写真
- スマートフォンで少し拡大して撮った写真
可能であれば、店頭やレンタルで同じ場所を28mmと40mmで撮り比べてください。写真の見え方だけでなく、自分が無理なく立てる距離を確認することが大切です。
GR4が出た今もGR3・GR3xを選んでいいのか
新型が登場しても、GR3とGR3xの写りや携帯性が急に悪くなったわけではありません。欲しい画角と予算が合い、状態に納得できるなら旧モデルも選択肢になります。
ただし、新品と中古の価格差、保証、バッテリーの状態などは購入時点で確認してください。新型との違いはGR3とGR4の比較記事で紹介しています。
GR3とGR3xについてよくある質問
画質がいいのはどちら?
どちらも約2424万画素のAPS-CサイズCMOSセンサーを搭載しています。画質の優劣より、28mmと40mmで写真の見え方が変わると考えたほうが分かりやすいです。
初心者にはどちらがおすすめ?
好きな画角が決まっていない初心者には、ボクはGR3をすすめます。室内や旅行など幅広い場面で使いやすく、撮影場所の制約を受けにくいからです。
GR3をトリミングすればGR3xの代わりになる?
GR3で広く撮り、あとからトリミングして画角を狭くすることはできます。ただし、切り取るぶん記録される画素数は少なくなります。反対に、GR3xで写らなかった範囲をあとから広げることはできません。
旅行にはどちらが向いている?
街並み、建物、室内、複数人まで幅広く撮るならGR3が便利です。旅先で人物や料理を中心に撮り、背景を整理したいならGR3xも向いています。
まとめ|画質ではなく撮る距離で選ぶ
GR3とGR3xの基本性能はよく似ています。違うのは、写真に入る範囲だけではありません。被写体との距離、背景の量、シャッターを切るまでのテンポが変わります。
日常を広く、素早く残したいならGR3。少し距離を取り、主役を整理して切り取りたいならGR3x。
ボクはGR3xを先に使い、その後GR3へ移ったことで、自分は整った写真を作ること以上に、日常の空気へ反応して撮ることを大切にしていると分かりました。
40mmを選ぶ明確な理由があるならGR3x。まだ迷っているならGR3。スペック表だけではなく、自分がいつも写真を撮っている距離から選んでみてください。

GR3・GR3xの価格と在庫を確認する
価格や在庫は変動します。購入前に販売ページで最新情報を確認してください。