
こんにちは。すぎっち(@cedar_studio)です。
RICOH GR IV Monochromeを購入しました。
新しいカメラを買うときは、できるだけ多くの場面で使えるモデルを選ぶのが一般的だと思います。カラーでもモノクロでも撮れて、必要に応じて表現を切り替えられる。そう考えれば、通常のGR IVを選ぶほうが合理的です。
モノクロ写真が欲しければ、カラーで撮影した写真をあとからモノクロに変換することもできます。わざわざカラー撮影のできないモノクロ専用機を選ぶ必要はない、という考え方もよく分かります。
それでもボクは通常のGR IVではなくGR IV Monochromeを選びました。
理由は、単純にモノクロ写真が好きだからではありません。
色を写さないカメラを使うことで、自分が写真を見る方法を変えてみたかったからです。
カラー写真をあとからモノクロに変換することと、最初からモノクロでしか撮れないカメラを持つことは、似ているようでまったく違います。
今回は、ボクがカラーではなくGR IV Monochromeを選んだ5つの理由について、実際に使って感じたことも交えながら紹介します。
- GR IV Monochromeを選んだ5つの理由
- 通常のGR IVではなく、Monochromeでなければならなかった理由
- 実際に使って感じたGR IV Monochromeの魅力
- GR IV Monochromeを購入する前に理解しておきたいこと
- GR IV Monochromeはこんな人に向いている
- まとめ|モノクロ写真ではなく、モノクロで見る時間を選んだ
GR IV Monochromeを選んだ5つの理由
1.色ではなく、光と影を見るカメラが欲しかった

GR IV Monochromeを選んだ一番大きな理由は、色ではなく、光と影を見ながら写真を撮りたかったからです。
カラーで写真を撮っていると、僕たちは想像以上に色へ反応しています。
夕焼けのオレンジ、空の青、目立つ看板の赤、鮮やかな服を着た人。
印象的な色を見つけた瞬間、自然とカメラを向けることがあります。色は写真を成立させる強い要素なので、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、色が魅力的であればあるほど、光の向きや影の形、被写体の質感を見落としてしまうことがあります。
GR IV Monochromeを持って歩くと、色を写真の主役にすることができません。
その代わりに見るようになったのが、光と影です。
壁に差し込む細い光、建物の間にできた深い影、濡れた道路の反射、人物の輪郭を浮かび上がらせる逆光。
これまでなら通り過ぎていたような場面で、足を止めることが増えました。
写真の中に色がないからこそ、明るい部分から暗い部分までが、どのようにつながっているのかを意識するようになります。
モノクロは、白と黒だけではありません。
その間には、たくさんのグレーがあります。
光が少しずつ弱くなり、白からグレーへ、そして黒へと変化していく。そのグラデーションを見ることが、GR IV Monochromeを使う楽しさのひとつになっています。
以前は色に反応してカメラを向けていた場所で、今は光の強さや影の形に反応しています。
GR IV Monochromeは、目の前の景色から色を消すカメラではありません。色の奥に隠れていた光や影を、あらためて見せてくれるカメラなのだと思います。
2.撮影後ではなく、撮る瞬間からモノクロで考えたかった



デジタルカメラでモノクロ写真を作る方法は、GR IV Monochromeだけではありません。通常のカメラでカラー写真を撮り、撮影後にモノクロへ変換することもできます。ボク自身も、これまではその方法でモノクロ写真を作ってきました。
それでもモノクロ専用機を選んだのは、完成した写真をモノクロにしたかったのではなく、撮影する瞬間からモノクロで考えたかったからです。
カラーで撮影しているときは、当然ながら色を含んだ世界を見ています。
撮影後に写真を見返し、その中から「これはモノクロが合いそうだ」と思う一枚を選ぶ。そこから彩度を落とし、コントラストや明るさを調整して仕上げていきます。
この方法でも、魅力的なモノクロ写真は作れます。
しかし、GR IV Monochromeでは撮影の入口から違います。
最初から色が写らないため、撮る前からモノクロ写真として成立するかどうかを考えなければいけません。
- 被写体の色ではなく、明るさの差を見る。
- 画面の中で、黒い部分をどこに置くか考える。
- 光を残すのか、あえて影の中へ沈めるのかを決める。
背景と被写体の明るさが近ければ、輪郭が分かりにくくなることもあります。反対に、強い光が当たれば、何気ない被写体が印象的に浮かび上がることもあります。
カラー写真をモノクロに変換するのは、撮影した写真から色を引いていく作業です。
GR IV Monochromeで撮るのは、最初から色のない状態で写真を組み立てる作業です。
この違いは、実際に使ってみると思っていた以上に大きなものでした。
何を撮るかだけでなく、何を見ながら撮るかが変わります。
ボクが欲しかったのは、モノクロに仕上げられるカメラではなく、モノクロで考えさせてくれるカメラでした。
3.高感度のノイズさえ、写真の表情として楽しめると思った

GR IV Monochromeを手にしてから、夜の街を撮ることが以前より楽しくなりました。
暗い場所で撮影するときは、ISO感度を上げる必要があります。一般的なデジタルカメラでは、ISO感度を上げるほどノイズが目立ちやすくなります。特にカラー写真では、暗い部分に色ノイズが出ると、画面が荒れて見えることがあります。
そのため、撮影時にはできるだけISO感度を低く抑えたり、撮影後にノイズを取り除いたりすることが多くなります。
ところが、GR IV Monochromeで撮影していると、ノイズに対する感覚が少し変わりました。
もちろん、ノイズが出ないわけではありません。ただ、そのざらつきがモノクロ写真の粒状感として見えるため、カラー写真ほど欠点として意識しにくいのです。
夜の路地、薄暗い店内、駅のホーム、街灯に照らされた人、雨にぬれた道路。
そうした場面では、滑らかで整った画質よりも、少しざらついた写真のほうが、その場の空気に似合うことがあります。
これまでは暗い場所で撮影すると、ノイズを増やさないことを優先していました。
GR IV Monochromeを使うようになってからは、ノイズを消すことより、その場所の暗さを残したいと思うようになりました。
夜を昼のように明るく撮るのではなく、暗かった場所は暗いまま写す。
その中にあるわずかな光を拾う。
高感度撮影によって生まれる粒状感も含めて、その場の雰囲気として受け入れられるようになりました。
GR IV Monochromeは、暗い場所でもきれいに撮るためだけのカメラではありません。
暗さそのものを写真の一部として楽しませてくれるカメラです。
4.撮れるものを減らすことで、写真に集中したかった

GR IV Monochromeでは、カラー写真を撮ることができません。これは明確な制限です。
便利さを基準に考えれば、カラーとモノクロの両方を撮れるカメラのほうが優れています。旅行や家族写真、料理、季節の花など、色を残したい場面はたくさんあります。
それでも僕は、GR IV Monochromeの「モノクロしか撮れない」という不自由さに魅力を感じました。
選択肢が多いことは、必ずしも撮影しやすいことと同じではありません。
- カラーにするか、モノクロにするか。
- どの色設定を使うか。
- 撮影後にどのような色へ仕上げるか。
- 選択肢が増えるほど、写真を撮りながら考えることも増えていきます。
GR IV Monochromeでは、カラーかモノクロかを迷う必要がありません。モノクロしか撮れないからです。
その代わりに、撮るか撮らないか、どこから撮るか、どこまで近づくか、どの光を選ぶかという部分に集中できます。
色について考えなくてよくなったぶん、構図や光、シャッターを切る瞬間へ意識を向けられるようになりました。
表現の幅が狭くなったというより、迷う範囲が狭くなった感覚に近いと思います。
GRというカメラは、小さなボディーに必要なものが凝縮されています。
だからこそ、いろいろなものを追加していくよりも、できるだけシンプルな状態で使いたくなります。
ボクはGRを使うとき、機能やアクセサリーを盛りすぎると、本来の魅力が薄れてしまうと感じています。
右手で取り出し、そのまま撮る。撮り終えたらポケットへ戻す。
GR IV Monochromeの割り切った性格は、そんなGRらしい撮影スタイルにもよく合っています。
撮れるものを減らすことで、目の前の一枚に集中できる。
この不自由さは、僕にとって欠点ではなく、GR IV Monochromeを選ぶ理由になりました。
5.いつもの景色を、もう一度見直したかった



新しいカメラを買うと、どこか特別な場所へ撮影に行きたくなります。
きれいな風景や新しい街を撮れば、新しいカメラの魅力を感じやすいからです。
しかし、GR IV Monochromeを使って撮りたいと思ったのは、特別な場所だけではありませんでした。むしろ、毎日の通勤路や自宅の周辺、何度も歩いた街を撮ってみたいと思いました。
色がなくなると、見慣れた景色の印象が変わります。
古い建物の壁、アスファルトのひび、雨上がりの水たまり、駅に差し込む朝の光、帰宅を急ぐ人の後ろ姿。
カラーでは地味に見えていたものにも、形や質感、光と影があります。
普段の生活では、景色を見ているようで、実際にはほとんど見ていないのかもしれません。いつもの場所だからと安心して、足を止めることなく通り過ぎてしまいます。
ところが、GR IV Monochromeをポケットに入れて歩くと、同じ道の中から明暗を探すようになります。
朝と夕方では、同じ場所でも光の入り方が違います。
晴れた日と雨の日でも、道路や建物の見え方が変わります。
季節が変われば、影の長さも変化します。
景色そのものは変わっていなくても、それを見る自分の意識が変わることで、撮れる写真も変わっていきます。
GR IV Monochromeを持って歩くと、いつもの道が撮影場所になります。
新しい被写体を探しに遠くへ行かなくても、普段の生活の中には撮りたいものが残っていました。
景色が変わったのではありません。自分の見方が変わったのだと思います。
通常のGR IVではなく、Monochromeでなければならなかった理由

通常のGR IVでもモノクロ写真は撮れます。
カラーで撮影しておけば、撮影後にモノクロへ仕上げることもできます。使い勝手や撮影できる場面の多さを考えれば、通常モデルを選ぶほうが安心です。
それでもGR IV Monochromeでなければならなかった理由は、「カラーに戻れないこと」にあります。
カラーも撮れるカメラなら、魅力的な色を見つけた瞬間にカラーへ戻せます。
夕焼けを見ればオレンジ色を残したくなり、花を見れば鮮やかな色を写したくなります。
それは自然なことです。
しかし、カラーに戻れる状態では、完全に色を手放して景色を見るのは簡単ではありません。GR IV Monochromeでは、どれだけ魅力的な色を見つけても、その色を写真に残すことはできません。
だからこそ、色とは別の魅力を探し始めます。
花の色ではなく、花びらに当たる光を見る。
夕焼けのオレンジではなく、空から地上へ変化する明るさを見る。
看板の赤ではなく、その周囲にできる影や、人との位置関係を見る。
「カラーでも撮れるけれど、今日はモノクロを選ぶ」のではありません。
「モノクロでしか撮れないから、モノクロで成立する光景を探す」のです。
この違いが、GR IV Monochromeを選ぶ意味なのだと思います。
ボクにとって重要だったのは、通常モデルとの細かな性能差だけではありません。
カメラを持ったとき、自分の視線がどう変わるか。
その一点に、モノクロ専用機を選ぶ価値を感じました。
実際に使って感じたGR IV Monochromeの魅力
色がないのに、色を感じることがある

GR IV Monochromeで撮影していて面白いのは、写真に色が写っていないのに、そこに色を感じることがある点です。
- 朝の青白い空気。
- 夕方の暖かい光。
- 蛍光灯に照らされた室内の冷たさ。
- 夏の日差しの強さ。
- 雨の日の湿った空気。
完成した写真はモノクロですが、撮影したときの光や温度を思い出すと、その中に色が浮かんでくることがあります。
カラー写真のように色を直接見せるのではなく、光の明るさや階調から色を想像する。
モノクロで撮るようになってから、以前よりも色を意識するようになったのは意外な変化でした。色をなくしたことで、色に興味がなくなったわけではありません。むしろ、目の前の色がモノクロではどのような明るさに変わるのかを考えるようになりました。
モノクロ写真は色のない写真ではなく、見る人の記憶の中に色を残す写真なのかもしれません。
一枚を撮る前に立ち止まる時間が増えた

GRは、ポケットから取り出して素早く撮影できるカメラです。
GR IV Monochromeも、その軽快さは変わりません。
ただ、僕自身の撮り方は少しゆっくりになりました。
色の勢いだけでシャッターを切れないため、撮影する前に画面の中の明暗を確認するようになったからです。
- 一歩右へ動く。
- 少ししゃがむ。
- 人物が光の中へ入ってくるのを待つ。
- 露出を少し暗くする。
- どこまで黒く落とすのかを考える。
GR IV Monochromeを使っていると、シャッターを切るまでの小さな判断が増えていきます。撮影枚数が減ったというより、一枚を撮る前に被写体を見る時間が長くなったように感じます。
GRの速写性を活かしながらも、光が整うのを少しだけ待つ。
この感覚は、これまでのGRとはまた違った撮影の楽しさです。
夜の街を撮りたくなる
GR IV Monochromeを持つと、日が暮れてからも写真を撮りたくなります。
夜の街は、昼間よりも色の情報が少なくなり、光と影の境界がはっきりします。街灯、店の窓、車のヘッドライト、自動販売機、駅の案内表示。暗い街の中に、いくつもの小さな光が浮かび上がります。
カラーで撮ると、さまざまな色の光が画面の中でぶつかることがあります。モノクロでは、その色の違いが明るさの違いに置き換わります。光の形が整理され、街の構造が見えやすくなることもあります。
高感度撮影によるざらつきも含めて、夜の空気をそのまま持ち帰れる。
GR IV Monochromeを購入してから、夜は撮影しにくい時間ではなく、モノクロが似合う時間になりました。
GR IV Monochromeを購入する前に理解しておきたいこと
GR IV Monochromeは、とても個性的なカメラです。
だからこそ、すべての人におすすめできるわけではありません。

カラー写真は一枚も残せない
当然ですが、GR IV Monochromeではカラー写真を撮影できません。
家族旅行、食事、季節の花、青空、夕焼けなど、色を残したい場面でもモノクロになります。
その制限を楽しめる人には魅力的ですが、旅行や日常の記録を一台ですべて残したい人にとっては、不便に感じる可能性があります。
撮影後にカラーへ戻すこともできない
撮影時の画面だけがモノクロで、データにはカラー情報が残っているというカメラではありません。
撮影後に「やはりカラー写真にしたい」と思っても、元に戻すことはできません。撮影する時点で、色を残さないと決める必要があります。
この潔さがGR IV Monochromeの魅力ですが、同時に購入前によく考えておきたい部分でもあります。
最初の一台としては人を選ぶ
一台のカメラで幅広い被写体を撮りたい人には、通常のGR IVのほうが向いています。
特に初めてGRを購入する人や、ほかにカメラを持っていない人は、カラーもモノクロも選べる通常モデルのほうが使いやすいと思います。
GR IV Monochromeは、万能なカメラではありません。
何でも撮れることよりも、モノクロで撮る体験を深めることに価値を感じる人のためのカメラです。
GR IV Monochromeはこんな人に向いている

GR IV Monochromeは、次のような人に向いていると思います。
- モノクロ写真を本気で撮ってみたい人
- カラーで撮影しても、モノクロに仕上げることが多い人
- 光と影を意識した写真を撮りたい人
- 日常のスナップや夜の街を撮るのが好きな人
- カメラの多機能さより、撮影体験を重視する人
- 選択肢を減らし、目の前の被写体に集中したい人
- すでにカラー撮影用のカメラを持っている人
反対に、家族旅行や日常の記録を一台で撮りたい人、料理や風景の色も残したい人には、通常のGR IVのほうが安心です。
どちらが優れているかではありません。
自分がカメラに何を求めているかによって、選ぶモデルが変わります。
まとめ|モノクロ写真ではなく、モノクロで見る時間を選んだ

僕がGR IV Monochromeを選んだ理由は、次の5つです。
- 色ではなく、光と影を見るため
- 撮影後ではなく、撮る瞬間からモノクロで考えるため
- 高感度のノイズも写真の表情として楽しむため
- 選択肢を減らして撮影に集中するため
- いつもの景色を、もう一度見直すため
GR IV Monochromeを選んだのは、カラー写真に飽きたからではありません。写真の中にある光や影、形や質感を、もう一度丁寧に見たくなったからです。
色が撮れないことは、たしかに不便です。旅行先できれいな夕焼けを見ても、そのオレンジ色を残すことはできません。鮮やかな花を見つけても、写真に写るのは明暗と形だけです。
しかし、その不便さがあるからこそ、これまで見過ごしていたものに気づけます。
- 夕焼けの色ではなく、空から地上へ続く光の変化を見る。
- 花の鮮やかさではなく、花びらの重なりや質感を見る。
- いつもの道に落ちている影や、建物の壁を横切る光に足を止める。
GR IV Monochromeを持つことで、撮れるものが増えたわけではありません。むしろ、撮れないものは増えました。
それでも、見えるものは以前より増えたように感じています。
僕が購入したのは、単なるモノクロ専用カメラではありません。いつもの景色を、これまでとは違う目で見るための道具です。
GR IV Monochromeでどんな写真が撮れるのか。
そして、このカメラを使い続けることで、自分の写真がどう変わっていくのか。
しばらくは色のない世界を歩きながら、じっくり確かめてみたいと思います。
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