こんにちは。すぎっち(@cedar_studio)です。
ソニーのカメラには動画用の映像色環境調整用パラメータであるピクチャープロファイルがあります。ソニーのカメラを使っている人の中にもいまいちピンときていない人もいるのではないでしょうか。
そんなピクチャープロファイルを実際にカラグレーディングして比較してみました。
具体的には『ピクチャープロファイル適用なし』『PP7』『PP10』で、露出補正やLUTを当てた場合にどのように変化するか比較しました。
ちなみに撮影に使った機材はソニーのミラーレスカメラα7Rⅲと中望遠単焦点レンズSEL135F18GM。
- ピクチャープロファイルの撮って出し比較
- ピクチャープロファイルの使い分け
- ピクチャープロファイルのカラーグレーディングについて検証
- ピクチャープロファイルの検証結果
- ピクチャープロファイルの使い分け
- 撮影機材
- 最後に
- 次の記事
ピクチャープロファイルの撮って出し比較
ソニーの公式HPによるピクチャープロファイルの説明は以下の通り
PP1 | [Movie]ガンマを用いた設定例
(ピクチャープロファイルを使用しないときの標準の動画の設定) |
PP2 | [Still]ガンマを用いた設定例
(ピクチャープロファイルを使用しないときの標準の静止画の設定) |
PP3 | [ITU709]ガンマを用いた、自然な色合いの設定例 |
PP4 | ITU709規格に忠実な色合いの設定例 |
PP5 | [Cine1]ガンマを用いた設定例 |
PP6 | [Cine2]ガンマを用いた設定例 |
PP7 | [S-Log2]ガンマで撮影するときの推奨設定。
[S-Log2]ガンマと[S-Gamut]カラーモードの組み合わせ。 |
PP8 | [S-Log3]ガンマと[S-Gamut3.Cine]で撮影するときの推奨設定。
[S-Log3]ガンマと[S-Gamut3.Cine]カラーモードの組み合わせ。 |
PP9 | [S-Log3]ガンマと[S-Gamut3]で撮影するときの推奨設定。
[S-Log3]ガンマと[S-Gamut3]カラーモードの組み合わせ。 |
PP10 | [HLG2]ガンマと[BT.2020]カラーモードで撮影するときの設定例 |
言葉で説明されても全くわかりません。
なのでこちらの記事で前ピクチャープロファイルを撮って出しで比較しているので参考にしてください。
:
ピクチャープロファイルの使い分け
最新版のソニーのカメラにはピクチャープロファイルが1から10まで設定されています。(古いカメラでは途中まで搭載されているものもあります。)
それぞれのピクチャープロファイルをざっくり書くと次の通りです。
- PP1:動画用の標準的な設定
- PP2:写真用の標準的な設定
- PP3:自然な色合いを出せる設定
- PP4:ITU 709という色の規格に忠実な設定
- PP5:落ち着いた調子の映像にする設定
- PP6:PP5をさらに編集することを想定した設定
- PP7:編集後にグレーディングすることを前提とした設定
- PP8:編集後のグレーディングを前提とし、さらにフィルムルックに寄せた表現をするときの設定
- PP9:PP8よりさらに広色域な表現が可能な設定
- PP10:明るいところも暗いところもちゃんと表現するための設定
※間違っていたら指摘もらえると嬉しいです^^;
ピクチャープロファイルのカラーグレーディングについて検証
今回の検証方法は次の通り
- 『ピクチャープロファイル適用なし』『PP7』『PP10』を同じ設定で撮影
- 露出を上げて撮影しカラーグレーディングで露出を下げてどこまで白飛びするか確認
- 露出を下げて撮影し同じ露出補正&LUTを適用しどんな表現になるか確認
Log撮影方法の一つ『PP7』はどこまでカラーグレーディングに適しているのか確認します。またHLGで撮影できる『PP10』と『PP7』の違いをカラーグレーディングを通して明確にします。
ピクチャープロファイルの検証動画
実際に比較した動画をYoutubeにアップしました。こちらからどうぞ。
ピクチャープロファイルの検証結果
検証した結果わかったことは次の通り。
- 同じ設定で撮影したけど『ピクチャープロファイル適用なし』と『PP10』はハイライト部分が白飛びしていた
- 『PP7』は撮影動画はアンダー目に録画されるので撮影するときはいたずらに露出を上げないように注意することが必要
- 『ピクチャープロファイル適用なし』と『PP10』はLUTを当てると色が飽和状態になる → LUTを当てる場合はLog撮影(今回の場合はPP7)でないと成り立たない
カラグレーディングを前提とする場合は『PP7』を選択すればいいことがわかりました。また『PP10』は積極的なカラーグレーディングには適しておらず、明度差が激しいところでは積極的に使えばいいことがわかりました。
ピクチャープロファイルの使い分け
今回の検証の結果からピクチャープロファイルの使い分けについてわかってきました。
- カラグレーディングを行わない場合はPP設定なしかPP1〜6で気に入ったものを使用
- カラーグレーディングを積極的に使う場合はPP7〜9で気に入ったものを使用
- カラーグレーディングを行わずに明度差の激しい撮影をする場合はPP10を使用
撮影機材
今回の撮影に使用したのはα7Rⅲと中望遠単焦点レンズのSEL135F18GM。音は本体内蔵マイクで録音しています。
α7Rⅲは2年以上前に発売されたカメラですが、写真も動画もすでに完成された域に達しているカメラだと思います。
最後に
ピクチャープロファイルはソニーから新しく発売されたVLOG用カメラZV-1にも搭載されているほど一般的になってきました。
正しく理解すればとても便利な機能なので、ぜひ勉強して積極的にピクチャープロファイルを使って欲しいです^ ^
その他の写真や動画の撮影方法についてまとめています。
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